白内障とは
私たちの目には、カメラに例えるとレンズに相当する「水晶体」という組織があります。健康な若い人の水晶体は透明ですが、いろいろな原因で濁ってくることがあります。これが白内障です。年齢によるものが最も多いですが、他の目の病気、薬の副作用、先天性のものなどがあります。
白内障になると、目に入ってきた光が濁りにじゃまされてうまく透過できなくなり、物がかすんで見えたり、光の具合で眩しく感たりするようになります。進行すると日常生活に支障を来すようになります。
このような症状の方はご来院を
- 人の顔がぼんやりとかすんで見える
- 老眼鏡をかけても物がはっきり見えない
- 明るい日に外出すると、目がまぶしく感じる
- テレビやパソコンの画面の文字を読んでいると、目が疲れる
- 老眼鏡をかけても、小さな文字が読みにくい
- 暗いところで物が見えにくくなった
- 物が二重三重に見える
- 運転中のライトの光が以前よりも眩しくなった
白内障の治療方法
経過観察
白内障になったとしても、すぐに手術が必要になるとは限りません。日常生活に支障がない場合は、しばらく経過を観察します。眼底出血、緑内障、黄斑変性などの他の疾患が合併して視力が低下している可能性もあります。少しかすんで見にくいけれど支障がないからといって放置するのではなく、定期的に眼科を受診して白内障が進行していないか、他の眼疾患がおこっていないかなどの経過を観察するようにして下さい。
薬物療法
白内障の進行を遅らせるため、点眼薬など使用することもあります。ごく初期の白内障の場合、こうした薬物療法で進行が緩やかになるといわれており、手術が必要となる時期を遅らせることができる可能性があります。しかし、視力を回復させたり、濁った水晶体を元通り透明にすることは不可能です。日常生活に影響するほどになれば次の手術を検討します。
白内障手術
白内障は視力がいくらになったら手術を行わないといけないかという決まりはありません。白内障による見えにくさが患者様のお仕事や日常生活に支障を感じるようになれば手術を考慮していただきます。ただし、緑内障などを併発するリスクが高くなってきたり、白内障が進行しすぎて手術が困難になるなどの場合は早めに手術をお勧めすることがあります。手術を決心されたら、片目か両目か、日帰り手術か入院手術かなど、患者様のご希望をおききして、地域の基幹病院に紹介させていただきます。
通常の白内障手術は点眼や局所麻酔で行い、つらい痛みはありません。濁った水晶体を周囲の袋を残して取り除き、袋の中に眼内レンズ(人工水晶体)を挿入します。目の手術は怖いと感じられるかもしれませんが、白内障手術は眼科で最も多く行われている手術で、技術の進歩とともに安全性は飛躍的に向上しています。詳しくは担当の先生にお聞きください。術後は通院が必要です。経過に問題なければ、当院で引き続き診察させていただきます。